千葉大学工学部情報工学科学生の時間割の例(95年度入学生)
千葉大は毎年のようにカリキュラム改変が続けられていて、95年度入学生の僕ら が受けた授業のいくつかは既に廃止されたものもある。また、98年度からは工学 部の大幅な学科改変が予定されていて(*)、情報工学科は消滅する。 現在の形態も情報画像学科情報コースとして基本的に残るらしいが、どちらにし ろ98年度以降に入学する学生が以下の時間割そのままの授業を受講することはで きない。ほとんど参考にはならないかもしれないが、興味があったら見てな。 (大学生は時間割を横方向に書く)
(*)国立大学なので、国会で予算が通らないと決定にはならない。 98年度入試は旧カリキュラムのまま募集してあるが、 予算成立後・入学前には新カリキュラムに移行するそうだ。 ただし、97年度以前に入学した学生は旧カリキュラムのまま。
情報工学科1年次 A氏 時間割 (95年度前期)
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4 |
5 |
6 |
7 |
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月曜日 |
英語 I L&S | 物理学 B I | プログラミング序論 | ||||
火曜日 |
微積演習 線形演習 |
物理情報工学U | 計算機システム | ||||
水曜日 |
情報工学概論 | 英語 I R | 情報処理 | 経済学 | |||
木曜日 |
微積分学 | 線形代数学 | バレーボール | ||||
金曜日 |
世界の 言語A |
科学 文化史 |
科学技術の発達... | 中国語 I A |
このA氏は典型的な情報工学科の1年生。高校時代と比べると授業数が圧倒的に少 ないだろうが、こんなものだ。このくらい授業を取っていたとしても、その授業 に飽きてくると、学期の途中からでもその授業には出席しなくなるのが普通(こ れを「切る」という)。どこまで切る・切らないは個人の自由。
彼はアパートが遠いこともあって(茂原から通学)、1コマには授業を入れてい ない(「1コマ」とは1時間目のこと)。また、スポーツの授業(バレーボールな どから選択)の後は汗をかくので授業を入れない。
1年次ではまだ情報工学科専門の授業は少なく(月4・火4・水2だけかな)、他は いわゆる「ぱんきょう」(一般教養=普遍教育の授業のこと)で、他学部・他学 科の学生と同じ教室で受ける授業も多い。何しろ学生数が多い分千葉大は開講数 も多いので、選択枠はそこそこ広いんじゃないかな。
水4の情報処理は全学部1年生必須の一般教養の授業で、コンピュータ・インター ネット・プログラムなどの基礎を習う(以後4年間は千葉大のE-Mailアドレスを 持ち続けられる…僕のは違うけど)。
なお各授業は全て90分間で、1コマは8:50開始、2コマは12:00終了、3コマは 12:50開始、5コマは5:40終了。でもって、6・7コマはBコース(夜間)用の時間。
情報工学科2年次 B氏 時間割 (96年度前期)
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
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月曜日 |
計算機ハードウェア |
プログラムの |
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火曜日 |
複素解析 | 実情 I | 微分方程式演習 | 回路理論U | |||
水曜日 |
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木曜日 |
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金曜日 |
応用物理学 I | CALL英語 | 微分方程式 |
こちらのB氏は1年次で「ぱんきょう」の単位を十分に獲得してあるため2年次は余 裕ができ、週休4日という優雅な生活を送ることができた。何ともうらやましい限 りだ。もちろん、余剰単位用として好きな授業を受けてもいいのだが、そんな真 面目なやつは僕の友達にはいない。
2年次から月4〜5コマぶち抜きでプログラム演習の授業が入る。だんだん情報工ら しくなったかな?
情報工学科3年次 C氏 時間割 (97年度後期)
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
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月曜日 |
数値計算の理論 | 情報数学 I | VLSI 回路 | 画像情報計測 | 地理学 B | ||
火曜日 |
英語 I L&S | 応用関数解析 | 物理情報工学U | 計算機システム | 情報理論 | ||
水曜日 |
光エレクトロニクス | 情報解析学 | テニス | 算法の設計と解析 | 英語 I R | ||
木曜日 |
微積分学B |
情報工学実験U |
庭園と都市 |
プログラムの設計と実現U |
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金曜日 |
計算機設計論 |
フランス語 | データベース | 情報システム |
さきほどのB氏とは違って、C氏は1・2年次の授業を取っていなかった、あるいは 切りまくったので、その分3年次で山ほど単位を取る必要があった(単位数とは関 係なく「3年生」にはなれます)。とても「朝は苦手」などと言っていられる状況 ではないので、大学生らしくない時間割になってしまった。
それにしてもこの驚異的な授業数はすさまじく、しかも、中でも1・2年次用の授 業では一緒に受ける友達も少ないので、試験を乗り越えるのが少々つらいかもし れない。さらに6・7コマのBコース用の授業(本来はAコースの学生は対象外だが、 頼めば受講できる)にも手を伸ばしている。
……これではC氏がかわいそうなのでフォロー。彼は根はいい人です。単位数が足 りないと、4年でなく5年で卒業する計画を立てるのが普通なのですが(本当にそ うか?)、このくらいがんばれば、ちゃんと4年間で卒業できる……予定なのです。
なお、3年次では昼を挟んで3コマぶち抜きのプログラム演習の授業が入る。こち らは2年次よりもかなり濃い内容となっている。数十枚に及ぶレポートを隔週で書 くのはかなりつらい。
【参考】 工学部98年度入学募集人員の変更と学科の改組 (予定)
既設の学科 |
定員 |
改組後の学科 |
定員 |
工業意匠科 |
85 |
デザイン工学科 |
150 |
建築学科 |
85 |
||
機械工学科 |
100 |
電子機械工学科 |
175 |
電気電子工学科 |
100 |
||
情報工学科 |
50 |
情報画像工学科 |
150 |
画像工学科 |
105 |
||
応用科学科 |
95 |
物質工学科 |
150 |
機能材料学科 |
65 |
||
- |
都市環境システム学科 (新設) |
55 |
|
合計 |
685 |
合計 |
680 |
各学科から数名ずつ定員を削って、新設の都市環境システム学科に回す。他学科 も合併させて工学部は全5学科となる。来年の1月には、改組についても記載され た募集要項の追加版が配布されるらしいが、国会の予算が通るまでは確定しない。 テストも旧学科単位で従来通りに行う。12月7日だったかに、受験生を対象とし た説明会があるらしいので、詳しくは工学部教務課に(Tel.043-290-3055)。
さらに複雑なことに、新制度移行後しばらくの間は、入学後1・2年次は新学科毎 の授業(専門色が強くなるらしい)を受けるが、3・4年次は概ね旧学科毎に分 かれて「○○コース」として授業を受けるらしい(つまり実質は現在とあまり変 わらない)。とはいえ、きっとまた数年で変わるんじゃないかと思う。
今まで情報工学科で研究していた内容は、実際には情報画像工学科だけでなく電 子機械工学科・都市環境システム学科にも移る。僕のように漠然と「コンピュー タ系学科」として学科を選ぶだけではだめで、もっと詳しく自分がやりたいのは 画像処理系(画像認識とか)なのか、メカトロニクス系(計算機で機械を動かす) なのか、情報システム系(プログラム中心)なのかを予め検討しなければならな い。
川ア有亮 PROFILE
・95年度卒業の稲毛高校14回生。剣道部で全国大会出場(大ウソ)。
・千葉大学工学部情報工学科在籍。97年度現在3年生。
・E-Mail <u-suke [at] kawa.net>